徒花は墓標

つかの間の優美をはかなく散らした花の木が、焼け付くような赤い夕日を受けて庭にひっそりと影を落としている。それはさながらもう手の届かないひとの面影のようで、庭の真ん中に独り佇む彼の心を寂寥感で満たした。今日もいつもと変わらぬ一日だった。朝は馬に跨がり、王宮殿へ出仕する。執務室で机に向かい、粛々とやるべき仕事をこなす。定刻になれば、また馬に乗って屋敷へ帰ってくる。屋敷では夫と父としての務めを果たした…

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